2012年4月6日金曜日

成果報告書


実践的外国語(英語)に携わる言語教師研修カリキュラム

機関番号:32409
研究種目:基盤研究(C
研究期間:20082011
課題番号:20520515
研究課題名(和文) 
    LSP教員研修を基盤とした実践的外国語(英語)教員研修カリキュラムの構築
研究課題名(英文) 
    Practical Language (English) Teacher Education Curriculum Development Based on LSP
研究代表者
笹島茂 
研究者番号:80301464


下記よりダウンロードしてください。


成果報告書







2011年12月12日月曜日

Richard Johnstone氏 (University of Stirling)


上智大学言語学講演会
2012年1月6日(金)
19:00-20:30
於:上智大学 四谷キャンパス 中央図書館9階 L-921
参加費:無料(事前申込不要)

Richard Johnstone氏 (University of Stirling)

" Modern Languages in Education: 
Moving forward with purpose in an era of uncertainty "
(使用言語:英語)

講演要旨 
What we may now consider as conventional or traditional approaches to modern languages education has taken several different forms: e.g. grammar-translation; audio-lingual; audio-visual; communicative; language awareness. None of these have disappeared completely from the present scene, and indeed some of them (or aspects of some of them) still have their articulate adherents and continue to be implemented on a fairly wide scale, often within approaches that are pragmatic and not based on one particular pure ideology. Nonetheless, in many countries policy-related thinking for good reason has led to large-scale, systematic attempts innovate and to move beyond these traditional formats, through new curricular models such as the early learning of an additional language, or ELL; content-based instruction, or CBI, sometimes called content & language integrated learning, or CLIL; bilingual education; immersion.

Despite such strong thrusts of policy-led innovation, there remain many uncertainties of different sorts. These are in part a reflection of a) the global financial crisis which may put a strain on resources, opportunities and aspirations, b) the unpredictability of complex societal systems which may engender realities and problematical issues which even the best policies cannot anticipate, and c) interesting new ideas on what it might mean to be a proficient language-user, involving notions such as multicompetence and translanguaging.

Nonetheless, despite such uncertainties, there are lessons which may be learned from research and evaluation and which can lead to a worthwhile understanding of certain key conditions which need to be met, if a major initiative in modern languages education is to stand a good chance of being successful. The talk will conclude by offering some provisional thoughts on what these key conditions might be.

2011年10月3日月曜日

実践的外国語(英語)に携わる言語教師研修カリキュラム


実践的外国語(英語)に携わる言語教師研修カリキュラム

機関番号:32409
研究種目:基盤研究(C
研究期間:20082011
課題番号:20520515
研究課題名(和文) 
    LSP教員研修を基盤とした実践的外国語(英語)教員研修カリキュラムの構築
研究課題名(英文) 
    Practical Language (English) Teacher Education Curriculum Development Based on LSP
研究代表者
笹島茂 
研究者番号:80301464

本研究は、LSPの理念を基盤とした教員養成と研修システムの枠組の構築を最終目的として設定した、平成1719年度実施した文部科学省科学研究費補助金基盤研究(C) 「外国語(英語)教員研修実態調査に基づくLSP 教員養成・研修システム開発」(課題番号17520395)の継続研究として、実践的外国語(英語)教員研修カリキュラムの構築を目的として実施した。

4.1. 理 念
ここで述べているLSP (Languages for Specific Purposes) 教員とは、学習者の求める外国語ニーズを基盤として、学習者のために明確な目標を設定して、学習計画を作成し、学習の場面、活動、教材などを選択し、学習の機会を与え、支援し、診断し、評価できる教員である。主に、専門分野や仕事に特化した外国語指導に携わるが、必ずしも高等教育や成人教育に限ることなく、場合によっては初等中等教育においても対応できる資質を要する。たとえば、スポーツや芸術活動などに必要な言語能力、数学や理科等の教科内容の理解に必要な言語能力、海外生活に必要な言語能力など。LSP教員の養成と研修は、上記のLSP 教員を育成し、その専門性を高めるために実施されるプログラムである。

しかし、LSP教員という用語の一般的理解は、「分野に特化した特定目的のための言語(教育)」という意味であり、誤解を生じるので、本研究で目的とする言語教師を「実践的外国語教員(Practical Language Teacher)(以下PLT)」と呼ぶことにする。

4.2. 目 標
PLTの養成と研修の目標は、中学校や高等学校の英語教員養成や研修の現行システムにかかわる人的資源と施設・設備を利用して、知識と技能を持った、様々な分野や仕事に必要な外国語指導者を育成し支援することにある。

4.3. スタンダード
上記の理念と目標のもとに、PLTとしてのスタンダードを下記のように設定する。ここで言うスタンダードとは、「養成や研修で修得する専門的知識や技能の基準のことで、養成や研修の各段階や場面において、PLTとして資質を身につけているかの目安」とする。

さらに、PLTとしての要件を次のように設定する。

l   CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)(ヨーロッパ言語共通参照枠)におけるCRL (Common Reference Levels)(共通参照レベル)の5技能と6レベル、あるいは、それから派生して作成されている RLD (Reference Level Descriptor)(参照レベルディスクリプター)に理解していること。
l   CEFRを教育に具体的に取り入れる方法としてのELP(ヨーロッパ言語ポートフォリオ)の考え方を理解し、学習者の自律(learner autonomy)を奨励すること。
l   CLIL (Content and Language Integrated Learning)(内容と言語を統合した学習)の理念を理解し、状況に応じて対応できること。
l   LSPの理念を理解し、状況に応じて分野に特化した言語教育を提供できること。

上記の要件は、これまで調査した各国の言語教育事情を考慮して、日本の外国語教育と外国語教員養成と研修の実態に鑑みて設定した要件である。外国語教育と外国語教員に関して具体的に調査した国は下記のとおりである。

アメリカ合衆国、英国、イタリア、スペイン、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、オーストラリア、香港、シンガポール、台湾など

上記の国は実際に現地に赴き、教員と話し、また、授業や教員養成研修を参観した。さらに、LSPに関しては、これまでの先行研究を踏まえ、理念を日本的に改めたが、現在の日本の外国語教員、特に、中等教育における英語教員に対して、最も求められる観点である。

これらの観点をもとに、次のようにPRTのスタンダードを改定して定めた。

スタンダード1:外国語の知識と技能
スタンダード2:外国語授業運営の知識と技能
スタンダード3:学習者の外国語学習目標の明確化
スタンダード4:学習者の外国語学習ニーズに沿ったカリキュラム設計と評価
スタンダード5:学習者の学習履歴の把握と学習方法の支援
スタンダード6:学習段階、科目内容、分野、仕事などのディスコースコミュニティの理解
スタンダード7:教育目標、学校文化の理解と外国語教育の専門性
スタンダード8:外国語使用のジャンル(場面や社会文化など)に対する理解
スタンダード9:初等教育から高等教育まで系統的外国語教育理解
スタンダード10:評価測定方法に関する知識と技能

以下上記の10のスタンダードを具体的に育成するためのカリキュラムを提示する。


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成果報告書



2008年3月28日金曜日

外国語(英語)教員研修実態調査に基づくLSP 教員養成・研修システム開発

平成17 ~ 19 年度文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(C))研究(課題番号17520395)
研究成果報告書

「外国語(英語)教員研修実態調査に基づくLSP 教員養成・研修システム開発」
Development of the LSP teacher education system based on a Survey on the Foreign Languages (English) Teacher Education in Japan

をダウンロードできるページです。下記をクリックしてください。

成果報告書

埼玉医科大学 笹島茂
sasajima@saitama-med.ac.jp

■ 本研究の概要■

本研究は、欧米等ではほぼ定着しているLSP (Languages for Specific Purposes)(明確あるいは
特定目的のための言語)教育の理念と方法(Howard & Brown, 1997; Dudley-Evans & St. John,
1998 など) をわが国の外国語(主に英語)教員養成と研修に導入するための先進的なシステム
を構築しようと意図するものである。

主に次の4つの観点にもとづく質的研究の実施

1)英国(イングランドとスコットランド)の教員研修に関する実態調査等を、文献、インタ
ビュー、観察等の質的調査を通じて実施し、その特徴を明らかにしようと意図した。
2)アンケート調査による外国語教員の意識調査を英国と日本で行い、日本の中等教育の英語教
員の養成や研修に対する意識の特徴を明らかにしようと意図した。
3)それと同時に 各地で工夫されている教員研修の実態調査を、文献、インタビュー、授業観察
等により明らかにしようと意図した。
4)さらに、アンケート等の調査結果をもとに、LSP 及びCLIL に注目し、その実態とニーズに
関して質的調査を進めた。

アンケート調査によって明らかになった日本の中学校英語教員の意識

• 実用的な英語力指導の重要性を認識
• 「 外国語の知識と技能」と「授業の知識と技能」の両方が必要
• 教育全般の活動を重視
• 現職研修に至る過程や内容に関しての要望
• ESP、仕事などに関連した指導よりも基礎基本の重視
• CLIL に対する低い関心
• 研修内容にLSP (ESP) 導入の意欲
• 中等教育の教育者としての強い意識
• 外国語教員の専門性は「外国語の知識と技能」と「授業の知識と技能」から構成
• 外国語指導に関連する研修機会の増加
• 約半数が他教科の教員との違いを意識
• 様々な学習者や分野に対応した外国語教員養成と研修の必要性に共通理解

調査に基づくLSP 教員養成・研修システム試案の提言

• LSP 教員養成・研修システムの理念:
LSP (Languages for Specific Purposes) 教員とは、学習者の求める外国語ニーズを基盤として、
学習者のために明確な目標を設定して、学習計画を作成し、学習の場面、活動、教材などを選択
し、学習の機会を与え、支援し、診断し、評価できる教員である。主に、専門分野や仕事に特化
した外国語指導に携わるが、必ずしも高等教育や成人教育に限ることなく、場合によっては初等
中等教育においても対応できる資質を要する。たとえば、スポーツや芸術活動などに必要な言語
能力、数学や理科等の教科内容の理解に必要な言語能力、海外生活に必要な言語能力など。LSP
教員の養成と研修は、上記のLSP 教員を育成し、その専門性を高めるために実施されるプログ
ラムである。

• LSP 教員養成・研修システムの目標
LSP 教員の養成と研修の目標は、中学校や高等学校の英語教員養成や研修の現行システムにか
かわる人的資源と施設・設備を利用して、知識と技能を共有し、様々な分野や仕事に必要な外国
語指導者を育成し支援することにある。

• LSP 教員養成・研修システムのスタンダード
上記の理念と目標のもとに、LSP 教員としてのスタンダードを下記のように設定する。ここで
言うスタンダードとは、「養成や研修で修得する専門的知識や技能の基準のことで、養成や研修
の各段階や場面において、LSP 教員として資質を身につけているかの目安」とする。

スタンダード 1:外国語の知識と技能
スタンダード 2:外国語授業運営の知識と技能
スタンダード 3:学習者の外国語学習目標の明確化
スタンダード 4:学習者の外国語学習ニーズに沿ったカリキュラム設計と評価
スタンダード 5:学習者の学習履歴の把握と学習方法の支援
スタンダード 6:学習段階、科目内容、分野、仕事などのディスコースコミュニティの理解
スタンダード 7:教育目標、学校文化の理解と外国語教育の専門性
スタンダード 8:外国語使用のジャンル(場面や社会文化など)に対する理解
スタンダード 9:初等教育から高等教育まで系統的外国語教育理解
スタンダード10:評価測定方法に関する知識と技能

このLSP 教員養成・研修システムのスタンダードを目安として、それぞれに具体的な知識と技
能に関する内容や活動を含んだモジュールを設定し、スタンダードを満たしているかを評価する。
さらに、総合的な資質の向上を目指した学習指導実習(従来の教育実習と異なり、授業指導の知
識や技能に焦点をあてた内容)を設けた。

今後の研究
本研究が提案したLSP 教員養成・研修のモデルは、現行の日本の中等教員養成と研修のシステ
ムを基盤とする。ここで提案したシステムが機能するかどうかは今後の検証にかかっている。本
研究の提案するモデルの推進に向けてさらに検証と改善を実施する予定である。